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朝食は電車の中⑦

2021年03月01日
1
短編小説
蘭様 「ちょっとついて来て欲しいの。」
男  「はい。」


そういうと、電車を何度も乗り継いで、どれくらい時間がかかったのだろうか。
都心からかけ離れた、寂れた小さな駅にたどり着いた。



男 「ここは、どこですか?」
蘭様 「私の亡くなった祖母が住んでいたところなの。自然豊かで気に入ってて、たまに来るのよ。」



辺りを見回すと、畑や田んぼ、その先に雑木林があって、深呼吸をすると空気が新鮮だ。穏やかに時間が流れていて、不思議なくらい気持ちが落ち着いてくる。



しばらく歩いていくと、道という道がなくなって、邪魔な木の枝を避けながらなんとか前を進んだ。


男 (ん、なんだ?  …色褪せてしまった鳥居か…ここは神社かどこか?)





男は吸い込まれるかのように、その鳥居をくぐり抜けた。
目の前に現れたのは、大きなお屋敷。



蘭様 「ここは、祖母が住んでた家なの。この鳥居は、訳があって…そこにあるのだけれど。」






つづく

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Shiori
Posted by Shiori

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2021/03/05 (Fri) 07:20

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