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栞1_181203_0015

朝食は電車の中⑨

2021年05月15日
1
短編小説
男は自分を落ち着かせようと深呼吸をし、目をこすろうとしたその時、
手が鎖に繋がれて、届かない。




男 「床の上だ。」




あらかじめ、コンクリートの床に埋め込まれた4つのアイプレートは、それぞれ5メートル間隔にある。
男は絶妙の距離で太い鎖に繋がれ、寒さから体を縮めようとするも、両手両足30センチの間、それ以上の努力はできない。
四つん這いになるのが精いっぱいだ。



胸の高鳴りと、それを超える漠然とした恐怖感。

男 「怖い・・」
   「望んでいるはずなのに・・怖い・・・怖い・・・」



寒さに凍えつつも、なぜか体がアツくなっていった。







「いや、もう戻りたくないのか。」
自身を問いただす。























移り代わりの早い世の中だ。


誰かにひかれたレールの上を生きてきた
いや、そのレールを自ら乗ったのか
数えきれないほどのすれ違い
他人の目、他者との関係性
社会の地位、孤独な立場、
偽りの自分
偽らざるを得ない自分
何かを見て見ぬふりをした
いや、見ていなかったのだ
心から愛した
心の乾きが増していく
喜ばしい光景
喜んでいるはずの自分
優しい我慢
深い吐息



本当は・・・・本当は・・・・







何もない部屋に響きわたる鎖のコエ、それは心の声なのか。

薬がまだ鼻の奥に残っているような・・
・・・ボーとした頭に、「走馬灯」がはしる。















つづく












こういう書き物はやはり紙に落とすのが好きだと、つくづく思います。
今は、パソコンのブルーライトにやられてしまい、思考が停止してしまいました。


それと、いただいたコメントですが、
数か月前から、まったく見ていなかったことに
今日、気が付きました。



ごめんなさいね。
コメント頂いてとっても嬉しいです。
ブログを楽しみにしてくれている方が
国外の方も含め、
たくさんいらっしゃって、とっても励みになりました。

今月はたくさん書けると思いますので、ご覧いただければ幸いです。
(言ってしまいました・・自分へのプレッシャー)











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Shiori
Posted by Shiori

Comments 1

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愛読者(非リアル非会員マゾ)  

意外にアナログ?

もしや栞女王様って鉛筆フェチだったりして(笑)書くためにも刺すためにも…

2021/05/15 (Sat) 15:38

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